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2025年04月25日 (金)

お役立ち情報

年度更新・算定基礎でつまずかないために

こんにちは!

名古屋の社労士 グロースリンク社会保険労務士法人です。今回は年度更新・算定基礎についてご紹介させていただきます。

1. 年度更新(労働保険)

労働保険(雇用保険・労災保険)の保険料は、月々ではなく年1回まとめて申告・納付する仕組みになっています。
この手続きが「年度更新」です。

労働保険料には次の2種類があります:

  • 概算保険料:来年度の給与総額を“見込み”で計算して納付する保険料
  • 確定保険料:前年度の給与総額に基づいて、正確に算出する保険料

つまり、「去年1年間(4月1日〜翌年3月31日)に支払った給与額を確定」し、実際の保険料と見込みで納めた額との差額を精算します。
同時に、次年度分の見込み(概算保険料)も申告・納付することで、毎年この更新作業を繰り返すことになります。

※例外あり

◆今年の申告・納付期限は6月2日(月)〜7月10日(木)です。
緑色の封筒に入った申告書類をもとに手続きを行いましょう。

◆分割納付も可能
年間の労働保険料が 40万円以上(雇用保険料+労災保険料)であれば、3回までの分割納付も選択可能です。

.雇用保険・労災保険の保険料率・保険料算出方法について

労働保険には、雇用保険と労災保険の保険料が含まれますが、それぞれに異なる保険料率が適用されます。

◆雇用保険の保険料率

計算方法:賃金総支給額×雇用保険料率=雇用保険料

雇用保険の保険料率は、業種によって「一般の事業」「農林水産・清酒製造の事業」「建設の事業」に分かれています。これにより、企業負担が異なるため、企業側にとっては事前に業種を確認することが重要です。

例:歯科診療所の場合…雇用保険料率は「一般の事業」に該当するので14.5/1000

※2025年4月1日時点

令和7年度雇用保険料率

◆労災保険の保険料率

計算方法:賃金総支給額×労災保険率=労災保険料

労災保険は、業種ごとに異なる保険料率が設定されています。基本的には1/1,000単位で算出されます。

例:歯科診療所の場合…労災保険率は「事業の種類分類:その他の事業、番号94」に該当するので3/1,000

※2025年4月1日時点

令和7年度の労災保険率

3.算定対象に含めるべき報酬/含めない報酬

■ 算定対象に含めるべき報酬

労働保険の算定基礎となるのは、実際に従業員に支払われた給与・賃金が基本です。

以下は、算定対象に含めるべき報酬です:

  • 基本給:毎月定額で支払われる給与
  • 時間外手当:残業代や休日出勤手当など、法定労働時間を超えた労働に対する手当
  • 役職手当・資格手当:ポジションに応じた手当や特定の資格保有者に支払われる手当
  • 賞与・ボーナス:夏季・冬季ボーナスなど、年に数回支払われる一時金
  • 交通費:業務に必要な課税・非課税通勤交通費

■ 算定対象に含めない報酬

一方で、以下の報酬は原則として算定対象に含めません:

  • 休業補償手当:療養により休業している期間、の賃金を補填するために会社が支給する災害補償のことです。(労働基準法第76条に基づく)
  • 退職金:退職時に一度だけ支払われる一時金
  • 福利厚生費:企業が従業員に提供する食事代や健康診断費用など、業務に直接関連しない福利厚生
  • 出張手当:実際の出張に対して支払われる手当(交通費以外)

◆休業補償手当と休業手当は別物!
休業手当は事業主都合で労働を休む場合に支払われる手当(労働基準法第26条に基づく)となり算定の対象となります。

4.まとめ

年度更新・算定基礎届の手続きは、毎年1回の大切な作業ですが、確実に期限内に申告・納付することが重要です。期限を過ぎてしまうと、政府によって労働保険料と一般拠出金の額が決定され、さらに10%の追徴金が課せられる可能性もあります。

年度更新・算定基礎届の手続きをしっかりと終わらせることができれば、企業としても従業員の皆さんにとっても安心できるスタートが切れますね。
皆さまがこの作業を無事に終わらせ、安心して次に進めることを心から願っています。

その他、ご不明な点があれば名古屋の社労士 グロースリンク社会保険労務士法人までお問い合わせください!