クリニックの開業・経営には幅広い知識が必要です。特に開業の段階では、こういった手続きをまとめて一緒に処理する必要があります。
正確な事務手続きが要求される書類の提出作業と、人を採用する雇用・労務作業は求められるスキルも異なるため、一人ですべての作業をするのは大変です。
スムーズにクリニックを開業して医療業務に専念するには、社会保険労務士を雇うとよいでしょう。
特に名古屋・岡崎・大阪で開業をスムーズに行いたいドクターは、この記事をぜひ参考にしてください。
社会保険労務士は、社会保険労務士法第1章第1条において「労働及び社会保険に関する法令の円滑な実施に寄与するとともに、事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上に資することを目的とする」と定められています。
クリニックを開業する際にも、社会保険労務士は院長の強い味方です。
労働・社会保険関係法に基づく申請書の作成と手続き代行にかかわる代理、労働社会保険法令に基づく帳簿の作成などを独占業務として認められている資格です。
企業における従業員などの採用から退職までの労働・社会保険に関する諸問題や年金の相談にも応じます。
厚生労働省管轄の助成金の申請代行も行うので、助成金を積極的に活用したい場合は、強い味方となる仕事です。
開業には診療所の場所や使用する機材などの選定、各行政当局への各種届出や地域の医師会への加入手続きなど、さまざまな業務を一度に処理しなければなりません。
以下のような業務を、クリニック開業時に社労士は代行できます。
● 保健所や自治体への行政手続き書類
● 労働基準監督署・ハローワーク・年金事務所など労務手続きの書類作成支援
● 書類の届け出代行
社労士をうまく活用すれば、開業手続き時の負担を減らせるのです。
社労士の業務は開業前の行政手続きや保険事務所などへ行う、労務手続きサポートだけではありません。
開業後の人事・労務および社会保険に関する手続きや、クリニック内での人事労務に関する院長の良き相談相手にもなってくれます。
その結果、院長は医療業務に専念でき、クリニックのコストパフォーマンスは高くなるでしょう。
社会保険労務士が開業の時に出来るサポートの概要は以下の通りです。
書類名など | 届け出先 |
---|---|
診療所開設届 | 保健所 |
保険医療機関指定申請書 | 厚生局 |
診療所使用許可申請書 | 保健所 |
労働・社会保険手続き | |
労働保険の保険関係成立届 | 労働基準監督署 |
適用事業報告 | 労働基準監督署 |
雇用保険事業所設置届 | 労働基準監督署 |
社会保険新規適用届 | ハローワーク |
年金事務所 |
クリニックの診療科目や診療内容によっては上記以外にも手続きが必要なケースがあります。
(例:診療用X線装置備付届は保健所へ送るなど)
診療所開設届を出すには、以下の添付書類(主なもの)も必要です。
● 従事する医師・歯科医師・薬剤師の免許の写し(原本証明が必要)
● 開設するクリニックの土地・建物の見取り図や平面図
● ビル内の診療所の場合はフロアの平面図や建物所有者との賃貸借契約書 ほか
(参照:名古屋市 診療所開設届)
地域により必要書類が違う場合もありますが、医療に詳しい社会保険労務士なら、これらの書類作成をしっかりサポートしてくれるでしょう。
看護師・助手・受付などスタッフの採用も開業時には行せねばなりません。
以下の人事に関する要素は、事前にしっかり検討する必要があります。
● どのような役割の従業員が何人必要か
● 人件費などの予算
● 募集・採用の予算
● 面接の日程
● 雇用契約の締結方法
● 研修の仕方
昨今ではあらゆる産業で労働力不足が話題となっています。
必要な能力のスタッフが雇用できない事態は、極力避けたいものです。
社会保険労務士はスタッフの採用、面接、雇用契約の締結などの内容確認など、院長の人事戦略のサポートも可能な仕事です。
採用を社労士に任せれば、開業業務により集中しやすくなるでしょう。
● 従業員の無断欠勤
● 頻繁な遅刻の発生
● 業務命令を聞かない
● ほかの従業員とトラブルを起こす
● 給与や就業時間あるいは担当の職務範囲の件で意見が食い違う
うかつに退職させると退職後に、クリニックの内部情報の漏えいや、悪評をSNS等で出されるなど経営の足を引っ張る可能性すらあります。
防止策としては就業規則の制定や雇用契約書・身元保証書・秘密保持の誓約書などの締結などがあります。
これらの書類作成も、社会保険労務士はしっかりサポート可能です。
社労士は労働・社会保険の関連法改正情報などを、タイムリーに入手できます。
最新の就業規則、社会保険・労働保険の手続きをしたり、それにともなう給与計算方法などを管理したりするのは重要です。
万が一、誤りがあった場合の対処方法も、社労士に相談できます。
労働基準監督署・年金事務所から調査が来た際には、顧問社労士がいると心証がよくなる傾向があります。
万が一の事態に備え、関係法令・行政手続きをサポートする院長の強い味方が、社労士といえるのです。
社労士は人事・労務問題の専門家であるように、院長も医療の専門家です。
院長は医療業務に専念し、人事・労務は社労士に依頼するアウトソーシングで、患者様に対処する時間を増やしパフォーマンスの向上も見込めます。
人事・労務や社会保険関係の相談にも乗ってくれるため、院長の専門分野でない箇所を社労士が補う現場を作れるでしょう。
院長が医療業務に専念するためには、良い社労士とパートナーとして長くお付き合いが出来るようにしたいものです。
ここでは、スマートな社労士の選び方を解説します。
社労士の力を借りたいときやわからない・教えてほしいと思ったときに、適切な対応ができるかをまず確認しましょう。
質問・相談など緊急時には時間外でも受け付けるかは特に重要です。
大事な時に相談できるような関係を、社労士と構築しましょう。
曖昧な対応ではなく、説明や回答が明快で、費用面でもきちんと説明してくれる社労士は心強いものです。
費用や説明に対しいい加減な対応をする社労士は、費用が安くても雇わないようにしましょう。
社労士にはそれぞれ得意分野があります。
クリニック開業時に社労士を雇用する際には、クリニック・医療に関する基本的な知識があるかを確認してください。
医療分野のスペシャリストである社労士を雇えば、業務の遂行率は高められるでしょう。
看護師等の時間外労働や適正な報酬などの雇用条件や、クリニックに即した就業規則の作成などの業務も、医療に詳しい社労士には安心して委託できます。
クリニック開業の実績が多いことに加えて、院長が開業したいと考えている地域の事情に明るい社労士なら、とても心強いでしょう。
保健所などに開設届などを提出する場合、通常は事前に保健所を訪問するなどして開設相談などの打ち合わせをする必要があります。
手続きに慣れていたり、保健所と互いに面識があったりする社労士であれば、こうした手続きはよりスムーズに進むでしょう。
何か困った場合、地元でのほかのクリニックの事例を理解していると、過去の事例を参考にできるのもメリットです。
社労士の適正な報酬を理解すれば、長くお付き合いが出来る関係を構築しやすくなります。
社労士に業務を委託する場合、一般的には顧問契約を締結せねばなりません。
ただし、就業規則や助成金の申請などの重要業務を依頼する際には、顧問契約の外枠で契約するケースが多い傾向にあります。
顧問契約を締結する場合、クリニックの従業員数に応じた相場が一般的です。
従業員数が5名程度までなら、月額2万円〜2万5千円、同10名程度なら3万円前後が相場です。
優秀な従業員の採用はクリニックの経営に欠かせません。
しかし、医師は開業前のさまざまな手続きに忙殺され、雇用契約内容の確認などが疎かになりがちです。
そのため、余裕をもって手続きを行うなら、開業の2ヵ月前までに契約を行うようにしてください。早めに社労士を雇えば、以下のような業務サポートを受けやすくなります。
● 求人募集
● 面接
● 雇用契約の内容確認
● 社会保険加入手続き
● 助成金の検討
早めに社労士の雇用手続きを行い、開業業務を楽に行える環境を作りましょう。
わたし達グロースリンク社会保険労務士法人は、名古屋・岡崎・大阪が拠点です。
『“幸せ”と“利益”を両立する「いい会社」を増やす』がグロースリンクのミッションです。
いい会社とは、経営者・社員・顧客が幸せを感じられ、継続的に利益を生み出し続けられるものと考え、日々業務を遂行中です。
名古屋・岡崎・大阪で「いいクリニック」づくりの安心・継続サポートをさせていただきますので、ぜひご利用ください。
グロースリンク社会保険労務士法人は、クリニックの開業支援のサポートが充実しています。
開業時の各種申請や届出代行はもちろんのこと、金融部門や設計士・建築会社などとコネクションがある点が強みです。
開業に関するあらゆるご相談を受け、院長と伴走してサポートします。
開業後も、人事・労務のプロとして社労士が院長をサポートします。
助成金や福利厚生制度のご提案などもできる、クリニック経営の強い味方です。
グロースリンク税理法人では、給与計算などの経理業務や税務申告や税務調査などのサポートも可能です。
名古屋・岡崎・大阪でのクリニックの開業や開業後の総務・人事、経理などのバックオフィス業務のアウトソーシングだけでなく、名古屋・岡崎・大阪のクリニック経営全般の相談も、グロースリンクでは可能です。
クリニックの開業には開設届や社会保険関係の各種届出などの行政手続きやスタッフの採用、雇用契約や就業規則の制定などのコンプライアンス面での整備が必要です。
開業後も最新の労働・社会保険関係の関連法改正への対応、労務トラブルへの対策をせねばなりません。
このような場面で解決策を一緒に考え、滞りない手続きで院長をサポートするのが社会保険労務士です。
医師が医療業務に専念できる、クリニック業務のサポートを社会保険労務士は担います。