2025年10月31日 (金)
「130万円の壁」を突き破る、キャリアアップ助成金の新戦略
名古屋の社労士 グロースリンク社会保険労務士法人です。
現在、企業の人事戦略において、避けて通れない大きなテーマがあります。それは、**「年収の壁」問題、特に「130万円の壁」**への対策です。
多くのパート・アルバイトの方が、年収が130万円を超えると扶養から外れ、社会保険料の自己負担が発生します。その結果、手取りの減少を恐れて自ら労働時間を抑制し、企業側は慢性的な人手不足に悩まされる、という構造的な課題が生じていました。
この問題を解消し、企業と労働者の双方にとってメリットのある環境を整備するため、今年の2025年7月からキャリアアップ助成金に**「短時間労働者労働時間延長支援コース」**が新設されました。これは、企業経営に大きなチャンスをもたらす、極めてタイムリーな支援策です。
💰 新コースが目指す「Win-Win」の実現
この新しいコースの最大の目的は、労働者が「壁」を気にせず、意欲的に長く働けるよう、企業がその環境整備にかかるコストを支援することにあります。
単に労働時間を延ばすだけでは不十分です。助成金の対象となるのは、「所定労働時間を一定時間以上延長し、社会保険に新規で加入させた上で、手取り収入が減らないよう賃金の改善を行った」事業主様です。
具体的に、企業がこれらの取り組みを行うことで、一人あたり最大50万円(小規模企業の場合)といった手厚い助成を受けることが可能となります。さらにこの支援は単年度で終わらず、翌年に取り組みを継続・強化した場合にも支給され、最大で75万円までの助成が受けられるという点も大きな特徴です。
🛠️ 今こそ、労働時間を「戦略的な戦力」へ
この新コースは、単なる事務手続きではありません。これは、企業の優秀なパート人材を**「不安定な労働力」から「安定した戦力」**へと変えるための投資です。
私たちは今すぐ、以下の具体的な行動に移すべきです。
- 対象者の特定と対話: 現在、壁を意識して労働時間を抑えている従業員の方々と面談し、制度のメリットを丁寧に説明すること。
- 戦略的な賃金設計: 助成金を活用しながら、手取りの減少を上回る昇給や手当を設計し、従業員が「働く時間を延ばすインセンティブ」を感じられる労働条件を提示すること。
- 労働契約の明確化: 労働時間の延長と社会保険加入に伴う、就業規則や労働契約書の変更を迅速かつ適切に行うこと。
2025年7月に新設されたこの強力な支援策を、貴社の人手不足解消と従業員の定着率向上に直結する「追い風」として、最大限に活かしていきましょう。
その他、ご不明な点があれば
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